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事業承継と不動産|自社株評価に与える影響と対策を解説

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事業承継と不動産|自社株評価に与える影響と対策を解説

事業承継と不動産|自社株評価に与える影響と対策を解説

2026/04/06

はじめに

事業承継において、不動産は極めて重要なテーマです。

多くの企業オーナーは

  • 株式の承継
  • 後継者の選定

に意識が向きがちですが、

実務では 不動産が自社株評価に与える影響 が、承継の難易度を大きく左右します。

特に、

  • 本社土地
  • 賃貸不動産
  • 遊休地

などを保有している企業では 想定以上に株価が上昇しているケース が少なくありません。

本記事では

  • なぜ不動産が自社株評価に影響するのか
  • どのようなリスクがあるのか
  • どのように整理すべきか

を解説します。

なお、企業不動産の基本については「企業不動産とは何か」をご参照ください。


目次


    事業承継における不動産の位置づけ

    事業承継とは、企業の経営権を次世代に引き継ぐこと ですが、その中心にあるのが ”株式” です。

    この株式の価値を決めるのが 「自社株評価」です。

    そして、多くの未上場企業においてその評価に大きな影響を与えるのが、不動産 です。

    自社株評価の基本

    非上場企業の株式は主に以下の方法で評価されます。

    • 純資産価額方式
    • 類似業種比準方式

    会社の従業員数、総資産、売上高により「大・中・小」の規模に分類され、小さい企業ほど「純資産価額方式」の影響が大きくなります。

    純資産価額方式では企業の資産がそのまま株価に反映されるため、不動産を多く保有している企業は株価が高くなりやすい構造になります。

    なぜ不動産が株価を押し上げるのか

    不動産が株価に影響する理由は

    大きく2つあります。

     

    ①資産額の増加

    不動産は、企業のバランスシート上大きな資産として計上されます。

    特に含み益のある土地を保有している場合、実態として 非常に高い資産価値 

    を持つこととして評価されます。

     

    ②収益性の影響

    賃貸不動産を保有している場合、収益が発生します。これが、企業価値をさらに押し上げます。

    不動産がもたらす承継リスク

    不動産によって株価が上がることは、必ずしも良いことばかりではありません。

    企業が不動産を多く保有している場合、事業承継においては「自社株評価の上昇」を起点とした重大なリスクが内包します。

     

    (1)相続税負担の増加と経営権リスク

    まず始めに、生前対策を行わずに相続が発生した場合を前提に整理します。

    不動産を多く保有する企業では

       自社株評価額が上昇
           ↓
         相続税が増加
           ↓
        納税資金が不足

    という構造が生じます。

    その結果、

    • 相続人が個人資産で確保
    • 相続した自社株を第三者へ売却

    といった対応を迫られます。

    特に重要なのは、自社株を第三者へ売却するケースです。この場合、外部株主が経営に関与する可能性が生じ、場合によっては、経営権そのものが揺らぐリスク

    に発展します。

     

    (2)株式譲渡が成立しない場合の帰結

    事業承継では、後継者が株式を買い取る(譲渡)ケースがあります。

    しかし自社株評価が高い場合

    • 後継者に資金がない
    • 融資がつかない

    といった理由により、譲渡が成立しないケースが発生します。

    この場合、承継を先送り→結果として相続発生となり、最終的には(1)の相続税問題に直面することになります。

     

    また別の帰結として、M&Aによる第三者への経営譲渡、MBO(経営陣による自社株買取)といった手法も取られるが、その場合外部への経営移転に至るケースもあります。

    これは、企業オーナー、特に創業者一族にとって、意図した戦略ではなく「資金制約による選択」となる点が重要です。

     

    (3)贈与の場合のリスク

    株式を親族等に無償で譲渡した場合でも、問題の本質は(1)(2)と同根です。

    贈与の場合、贈与税が発生します。

    贈与税は累進課税であるため

    • 高額な税負担
    • 短期間での納税

    が求められます。

    その結果、贈与税を確保するために

    • 個人資産を換金する(売却する、解約する)
    • 譲渡された自社株を第三者に売却する

    などにより、結果として(1)と同様の状況に陥る可能性があります。

    したがって、譲渡・贈与いずれの場合でも、本質的な問題は「納税資金の確保できるのか」です。

    このため実務では、

    • 自社株以外に他の資産や資金調達による、納税資金の別途準備
    • その他、構造的な対策

    を含めた検討が不可欠となります。

     

    (4)本質は「構造問題」

    ここまで見てきた通り、事業承継における不動産の問題は、単なる資産の多寡ではなく、資産構造の問題 です。

    • 不動産が多い
    • 含み益が大きい
    • 非事業資産が混在している

    これらが 自社株評価を押し上げ、 結果として

    • 税負担
    • 資金制約
    • 経営権リスク

    につながります。

     

    (5)対応の方向性

    この問題への対応は、単純な売却や活用ではなく

    • 資産の持ち方
    • 法人構造
    • 不動産の位置づけ

    を見直す 戦略的な再設計 が必要になります。

    例えば

    • 資産管理会社の活用
    • 不動産の分離
    • グループ再編

    といった手法が検討されます。

    ※これらの具体的手法については、別記事で詳しく解説します。

    CRE戦略としての整理

    最も重要なのは

    不動産を 「事業承継対策の一部ではなく、経営戦略として整理すること」です。

    この考え方が CRE戦略 です。

    詳細は「CRE戦略とは何か」で解説しています。


    まとめ

    事業承継において、不動産は 自社株評価を大きく左右する重要な要素 です。

    • 資産増加
    • 株価上昇
    • 株式買取資金の確保
    • 相続税・贈与税増加
    • 外部資金からの調達、経営権の

    という流れが発生します。

    そのため、事業承継を成功させるには、不動産を事前に戦略的に整理すること が不可欠です。


    不動産は単なる資産ではなく、 事業承継や企業経営に大きな影響を与える戦略資産 です。

    しかし実際には

    • 自社株評価
    • 相続税
    • 不動産含み益
    • 土地活用

    について十分に整理されていないケースが多く見られます。

    アテナ・パートナーズでは、 CRE戦略およびIRESの視点 から

    • 事業承継における不動産整理
    • 自社株評価対策
    • 不動産の売却・活用
    • 土地活用・建て貸し

    などを支援しています。

    事業承継について、

    「不動産の扱いに不安がある」
    「今のままでよいのか整理したい」

    という方は、お気軽にご相談ください。

     

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