【相続税対策】土地活用で節税を実現する方法とは?
2025/06/02
~借入による建築資金調達の効果も含めて解説~
相続税の課税対象となる資産の中でも、現預金や更地は特に高く評価されるため、何も対策をせずにいると想定以上の納税負担が発生することがあります。
そこで注目されるのが、「土地活用による相続税対策」です。今回は、アパート建築を伴う土地活用により相続税評価額がどのように減額されるのか、さらに銀行借入を併用した場合の効果や注意点について、具体的に解説いたします。
1. なぜ土地活用が相続税対策になるのか?
相続税の評価は「現金・更地が最も高く評価される」という特徴があります。これは、用途の制約が少なく、自由に使うことができるからと言われています。
一方で、土地に賃貸アパート等を建築して第三者に貸すことで、評価額を大きく圧縮することが可能になります。
この仕組みを「貸家建付地(注)評価」と呼び、国税庁が認める合法的な評価減制度の一つです。
貸家の敷地の用に供されている宅地、例えば、その宅地を所有する方が建築したアパートやビルなどを他に貸し付けている場合の、その敷地である宅地をいいます。
ただし、貸家建付地の評価の対象となる宅地は、借家権の目的となっている家屋の敷地の用に供されている宅地をいいますので、例えば、一般的に借地借家法の適用がないとされている「社宅」の敷地の用に供されている宅地は、貸家建付地の評価は行わず、自用地としての価額で評価することになります。
2. 節税効果の具体例
たとえば以下のような条件を考えます:
土地面積:300㎡
路線価:30万円/㎡(評価額 9,000万円)
借地権割合:60%、借家権割合:30%
アパート建築後は満室稼働
この場合、土地評価額は:
30万円 × 300㎡ ×(1 − 0.6×0.3)= 7,380万円
つまり、更地のままより約18%の評価減(約1,620万円の節税効果)となります。
さらに、建物についても固定資産税評価額(たとえば6,000万円)に対して:
6,000万円 ×(1 − 0.3)= 4,200万円
と評価額が下がります。これにより、土地・建物トータルで大幅な相続税評価の引き下げが可能です。
3. 借入を活用することで節税効果がさらに高まる
建物建築費用を銀行借入でまかなった場合、相続発生時点の借入残高は「債務控除」の対象となります。
たとえば建設費1億円を全額借入し、相続発生時に残債が1億円ある場合、相続財産からそのまま1億円を控除できます。これにより、
土地評価額:7,380万円
建物評価額:4,200万円
借入金控除:▲1億円
→ 課税対象はわずか580万円まで圧縮される可能性があります。
これは、「土地・建物評価の圧縮」+「債務控除」というダブルの節税効果が働くためです。
4. メリットとデメリットの整理
✅ メリット
- 相続税評価額が大きく下がる(合法的な節税)
- 賃料収入により借入返済・収益化が可能
- 現金を不動産に転換することで相続財産の分散にもつながる
- 生前の資産整理・承継計画と連動しやすい
⚠ デメリット・注意点
- 借入の返済計画が必要(収支悪化のリスク)
- 空室率や賃貸需要を慎重に分析する必要がある
- 法人化・贈与と組み合わせる場合は税務リスクに留意
- 相続人間の資産配分を巡るトラブルの可能性
5. 成功する土地活用は「全体設計」が鍵
土地活用による相続税対策は非常に有効ですが、節税だけを目的にしたアパート建築は失敗を招くリスクもあります。
成功のためには、
- 不動産市場・賃貸需要の把握
- 建築コストと収支計画のバランス
- 金融機関との融資条件交渉
- 相続人間の合意形成
- 税務・法務のプロとの連携
など、総合的な視点からの「プロジェクト・マネジメント」が必要です。
まとめ:相続税対策には攻めと守りの両面が必要です
建物の建築と借入による土地活用は、評価減と債務控除によって相続税負担を劇的に軽減できる可能性がある強力な手段です。しかし、リスクも伴うため、専門家とともに冷静なシミュレーションと設計を行うことが極めて重要です。
アテナ・パートナーズ株式会社では、金融・不動産・税務の各分野に精通したプロフェッショナルが、オーナー様の将来設計に最適なソリューションをご提案いたします。
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